戸隠蕎麦
戸隠は歴史と神話そして豊かな自然に恵まれ大変過ごしやすい所です。戸隠の気候風土は蕎麦栽培に最適です。蕎麦はもともと肥沃な土地で温暖な気候での栽培は不向きと言われています。寒暖な気候でやせた土地の方が良いとされております。戸隠は火山灰地であり、年間の平均気温が20度前後でこうした条件下で育った蕎麦は味が良いと言われております。戸隠の蕎麦の品質が高く評価されるのは、霧の多く発生する気候のうえ平均気温が低いだけではなく昼夜の寒暖の差が大きく蕎麦にとっては最高の蕎麦とされております。
戸隠蕎麦のルーツ
霊峰戸隠山への信仰を背景に、この土地が修験道場として栄えた平安時代修行僧の携帯食糧として村にもたらさえたのが「蕎麦」であったと伝えられております。当時の蕎麦は現在のようなものではありませんでした。修行中の食事という性格上、蕎麦粉を水で溶く程度のものだったと言われております。やがてお湯で蕎麦粉こねる「そばがき」やこねた蕎麦粉を焼く「そば焼き餅」が作られるようになったのではないかと考えられております。
戸隠の蕎麦打ち、蕎麦切りの歴史も、江戸時代に始まりました。記録によれば、江戸の寛永寺の僧侶に教えられて広まったものとされております。戸隠の奥院が別当(地域の総支配人)をもてなす際、特別食として用意されたのが蕎麦切りだったと書かれています。奥院の院坊跡から発掘された江戸期の出土品の中にも、伊万里焼の『蕎麦猪口』があり当時院坊のもてなし料理として蕎麦が食されていた事がわかっています。以来、各宿坊では各地から訪れる戸隠講の参拝客に蕎麦を振舞うのが通例となりました。かくして『戸隠蕎麦》は名物として全国に知られることとなりました。
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